こんにちは。Year11(16歳)とYear7(11歳)の子どもを育てているHarukaです。2019から3年間、現地小学校の理事を務めていました。
今回は前回・前々回からの続きで、ニュージーランドにおける性教育について。最終回です。
ここまで2回で、ニュージーランドの学校における性教育について書いてきました。しかし、当然ながらある程度は家庭での教育も必要になる場面はくるもので、私は二人の子供両方に「同意の意思確認」がどういうもので、どうあるべきかを伝える動画を見せました。
その私が見せた動画で学べるのは、ニュージーランドの保護者なら知らない人はいないと言えるほど有名な同意の意思確認メソッドで、幼稚園生にでも分かりやすいものです。”Tea consent”(=お茶の同意)と呼ばれるもので、Youtubeでは動画に日本語訳がついているものもありました。よろしければ見てみてください。
この中では「あなたが紅茶を誰かに飲ませたい」シチュエーションで話が進みます。たとえば、
• 紅茶を勧めて、飲むことを迷っている相手に無理やり飲ませてはいけません
• せっかくお湯を沸かしたんだから、絶対飲んでよねと無理強いしてはいけません
• 一回紅茶を飲んだからといって、その後も会うたびに毎回飲みたいとは限りません
• 一度飲むと言っても、お湯が沸くまでの間に気持ちが変わることもあります
• 相手の意識がないときには無理やり紅茶を飲ませません。意識がないときはそもそも飲めません。
こんな感じで、とても分かりやすい例えが使われています。これは性行為に関わらず、集団生活の中で「他人の思いを尊重する」場面にも使えるものなので、かなり小さい子にも役に立つ考え方です。
このように、多民族・多宗教・多文化のような国であるからこそ、特にこの「同意の共通認識」について明確に教育する必要がニュージーランドにはあります。
「自分を守り、相手を尊重する」という、最終的には人間として社会で幸福に生きるためのとても重要なことが、小学校から高校までの約13年間かけて提供される一連の性教育カリキュラムの基盤となっており、私はそういう意味でこの国の性教育を高く評価しているのです。