先日、娘の小学校で「クリスマスピクニック」が
開催され、子どもたちはクリスマスソングの披露をしました。
実は同じ小学校に5歳上の子も通っていましたが、
彼が低学年の5−6年前までは、「キリストの誕生劇」が
出し物でした。
そして、そのクリスマスの劇の練習シーズンに入る10月頃から、
学校には教会から人が来て、「クリスマスとは」「キリストの誕生」
について学ぶ時間が、何時間か設けられていました。
我が家は無宗教なので、そのような話が家庭で持ち上がることはありません。
ただ、ある日当時まだ小さかった息子が、「ママ、ジーザスはどうやって誕生
したか知ってる?」「どんなすごい人か知ってる?」「なんでうちは教会にいかないの?」
と聞かれ、少し違和感を感じたことを覚えています。
私が感じたその違和感は、クリスチャンがどうのという話ではなく、
「多国籍多宗教のこの国の公立学校で、保護者の許可なく宗教教育をすること」
という部分でした。
それは私だけではなかったようで、翌年は「キリストのお話会に参加・不参加」
の同意書の提出が求められ、それを望む家庭のみの参加となりました。
また、キリスト誕生の劇はなくなり、クリスマスソングを歌う会となりました。
そして今年から、学校運営の責任を担う理事の立場になり、
「クリスマスピクニック」の”クリスマス”が適切なのか、
宗教的に誰かの気持ちを侵害してしまっていないかの議論がありました。
結果、今までこの「クリスマス」の部分に苦情や意見が来たことはないこと、
この時期に歌う歌として、宗教観を押し付けるのではなく、イベント・文化として
子ども達に教えているということから、今年も変わらず「クリスマスピクニック」
という名前でイベントは開催されました。
こうして前に全校生徒が並んだ姿を見ても、
肌の色、髪の色、体格、第一言語、両親の国籍、
もう本当に数え切れないくらいのバラエティに富んでいます。
だから一つの学校イベントを開催するにしても、公立学校は本当に
いろんな子に平等に、なるべくみんなが快適な方法を考えねばならず、
NZで教育関係に携わる人は、きっとどんな世界でも活躍できるんだろうなと感じます。
ブラジルxキウイのハーフの子、イギリスxキウイのハーフの子、
そして両親共NZ育ち中国人の子、みんなバックグラウンドは違うけど、
同じ歌を歌って盛り上がれるって、最高に幸せなことだよねって思います。
きっとこんな平和が、最高に贅沢で恵まれていることなんですよね