さて、今回も我が家の発達障害の娘について書かせていただきます
ニュージーランドでは「5歳の誕生日から学校スタート」が一般的だという話を
前回しましたが、それもいきなり入学というわけではなく、入学当日までの間に
2回ほど(大体各1~2時間ほど)「School visit」という「訪問日」が設けられます。
School visitでは、大体「自分が入学したら担任になる予定の先生のクラス」に入って
一緒に授業を受けます。ならし保育みたいなものですね
その、本来なら2回ほどのvisitも、「場所みしり」が顕著な我が家の娘には
年内だけで16回のvisitを計画してもらっています。
最初のvisitがスタートしたのが2週間前。
「他の子と違うとパニックになるかな」と予想し、本来visitの子は着なくて良い制服をすでにスタンバイ。
朝は大喜びでお兄ちゃんと制服を着ましたが、その後「どうやら小学校に行くらしい」ことに気付き、
癇癪とパニックの感情と共にベッドルームに閉じこもりました。制服は全部脱ぎました
その後なんとか引きずり出しましたが、「きっと教室には入ってくれないんだろうな」という覚悟で、
でも行って「Hello, Bye!」だけ言えればもういいやという気持ちで校門まで引きずって行き・・・。
そんな私の覚悟とも裏腹に、なんと自ら教室の中へ。
でももう他の生徒は座って先生のお話しを聞いています
いつもならパニックになる典型的な状況です
ですが今日はみんなの一番後ろにちょこんと腰かけ、
アルファベットの授業に形だけ参加
でも娘は恐らく先生が言っている10%も理解できていなかったので、
ずーっと前に座る女の子のキティちゃんの髪留めを凝視していました。(笑)
その後、みんながプリントをもらうために立った瞬間に、なんと教室の外に脱走
追っかけていくと、お兄ちゃんの教室の方に向かって「○○(兄の名前)、たっけてー!!(助けてー)」
と叫ぶ叫ぶなので、他のみなさんの迷惑になりそうだったので、その日はそこで終了。
本来1時間参加する予定だったもの、20分弱で終了でした
その後、先生からメールが来て「私達は○○(娘の名前)のペースを尊重しましょう。
子どもはそれぞれ違うペースで進むので、○○が一番幸せに思えるスピードで、
私ももっと○○と仲良くなれるように工夫していきますね」と
こういう風に先生も、周りの保護者たちも娘のことを理解して、
相対的に見てではなく、「娘自身の中で」頑張ったときはうーんと褒めてくれます
母親の私が今まで「相対的に比べて焦る」ことが多かったのですが、
こういった周りの人々からの接し方や助言で、かなりゆったり構えていられるようになっただけで、
とっても心が軽い日々を送れるようになっています。
そう、この日だって娘は「初めての場所」「意味が分からない授業」に大人しく参加しました。
それだけだって、この子にとってはとってもとっても大きなことなんです
娘が「普通とは違う」こと、最初はとっても悲観しました。
だけどそれを理解して受け入れてくれる環境と人々に囲まれて、
ありのままでいて良いことを実感し、毎日安心して穏やかに暮らせるようになりました
たぶんそれはニュージーランドという国が「違うものだらけの人達のあつまり」だからかもしれません。
見た目も言葉も文化も宗教も思想も嗜好も、全く同じ人の方が少ないから、
だから「違うこと」はマイナスではない
ただ、その違いが「その人自身にとって不便なら助けてあげよう」という気持ちを、
色んな人の根本に感じます
だから英語が上手く話せない人にも、とても親切に接してくれるんでしょうね。
そんな優しさに包まれた環境で、今後娘がどう成長していくのかが楽しみです