こんにちは。
今回は、【ピリ辛留学】の卒業生で、その後NZに移住、
そして現在はCambridgeで二人の男の子の子育て中のKyokoさんが
「とても素敵な講座を受けたので、ぜひ経験を書かせて欲しい!」と
記事を寄稿してくれました!
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こんにちは。ピリ辛卒業生のKyokoです。

こんにちは。
今回は、【ピリ辛留学】の卒業生で、その後NZに移住、
そして現在はCambridgeで二人の男の子の子育て中のKyokoさんが
「とても素敵な講座を受けたので、ぜひ経験を書かせて欲しい!」と
記事を寄稿してくれました!
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こんにちは。ピリ辛卒業生のKyokoです。

NZの小学校は、基本的に各家族それぞれ登校するのが
一般的です。低学年のうちは大人同伴、大きくなってくると、
家が比較的近い子は大人なしで、徒歩や自転車通学をすることもあります。
車での登校もありで、結構多くの子が車登校しますが、
公立学校は学区的に歩けるはずの範囲に住んでいる子がほとんどなので、
学校としては徒歩通学を推奨しています。
また、オークランドトランスポート(オークランド交通局)主導で、
各学校の要請があれば、登校班システムを作るお手伝いをしてもらえます。
今回は、その説明会に参加し、早速方向が同じ他の保護者たちと
登校班を結成しました。こちらの徒歩通学の登校班システムは、
Walking School Bus(歩くスクールバス)と言います。
日本と違うのは、大人が必ず付き添うこと。
8人未満のときは1人、8人以上で2人・・・と、
子どもの人数に対して付き添う大人の割合が決められています。
付き添いの大人はバスドライバーと呼ばれ、蛍光のベストを着て、
周りの人々がみんな一目で「あの人が登校班付き添いの責任者だ」
とわかるようになっています。
また、参加する子どもたちは特別なキーホルダーとスタンプカードがもらえ、
一回歩くごとにスタンプをもらえ、50回、100回、150回・・・とスタンプ
が溜まると特別なキーホルダーと交換できたり、タームに1度学校に到着したら
ご褒美のミロとか、アイスブロックがもらえて、他にも「この子はまとめ役を頑張ってる」
「転んだのにちゃんと歩き続けた」とか、褒めてあげたい事項があれば、
同伴の大人の判断で渡して良いプレゼントも幾つか準備されています。

これらは学校からではなく、政府管轄の交通局から全て予算が出ていて、
付き添いの親の親睦を深めるためのカフェでのコーヒーモーニングとか、
その他必要なものを購入するための予算もかなり太っ腹に出してくれます。
逆にいえば、それだけ車通学の子と徒歩に誘い込むのが大変(特に親!)、
そもそも「毎朝必ず同じ時間に家を出る」ことに慣れていない、
という現実も見えてきます。
ただ、これに参加することで違うクラスや学年のご近所さんとも知り合え、
家族ぐるみでお互いの子を面倒みあえるので、
家族が近くにいない我が家のような移住ファミリーにはもってこい。
早速来週からスタートのWalking School Bus、楽しみです。
先日、友人の3歳の娘を1時間だけ預かることになり、
久しぶりに未就学児ママの時間を楽しませてもらいました!
5歳未満の未就学児の間は、親がフルタイムで働いていない限り、
毎日みっちり幼稚園に行くというパターンは少ない印象です。
フリーの日はスイミングやジムナステイックなどの習い事を入れたり、
各地で開催されているプレイグループに参加する親子が多い模様。
ただ、プレイグループも登録が必要な場合とそうでない場合があったり、
親子で仲良しグループが出来上がっていたりして、「一回きり」の
カジュアルな利用はちょっと躊躇する感じなので、
今回は、我が家の娘もかつてお世話になった“Winter Fun”に連れて行きました。

Winter Funとは、オークランドのノースショアの自治体に所属するボランティア
グループが運営してくれているイベントで、冬の間は各地の教会やホールの中に
大量のおもちゃをトラックで運んできて、子ども達が外が雨の日も楽しく遊べる場を
提供してくれます。
家に置けないような大きなおもちゃや、遊びきれないほどの種類のおもちゃが
用意されているので、子ども達はもう夢中。
親には紅茶やコーヒーまで提供してくれます。
そして驚くのが、これらは全て無料。
登録や予約が必要なく、誰でも、それこそ旅行者でもふらっと立ち寄ってOKなんです。
場所は毎日日替わりで、それも楽しい部分の一つ。
(ご興味ある方は”Winter fun”で検索して、場所を確認してくださいね)
久々に行ったけど、改めて素晴らしいサービスだと思ったし、
こういう気軽にアクセスできる場所がたくさんあるから、
NZでの子育ては比較的心に余裕を持ってできるんだろうなと思いました。
NZの小中学校は、日本の学校のように教科書がありません。
一応、教育省からの「この学年ではこの内容を・・・」という指標はありますが、
各学年・クラスで実際に行われる授業の内容は、学年主任と各クラスの先生次第で
いくらでも柔軟な対応ができるため、「生徒たちの興味主導」カリキュラムが組まれます。
例えば、数年前の4年生は宇宙に対する興味を持つ子が多く、
本来は1学期間だけの内容だったにも関わらず、子ども達の反応があまりによかったため、
1年通して宇宙について学び続けました。
また、保護者の中の一人が研究者で、実際にGPSとカメラをつけて、巨大風船でぬいぐるみを
宇宙に飛ばすという実験をし、ぬいぐるみのくまさんがつけていたカメラを通じて、
あの目に見える空を抜けたらどんな風に宇宙にいくのか、
全校生徒が実況画像を見たこともあります。
(くまさんはGPSで着地点が分かるため、きちんと回収にいきます。
この時はRangitoto Islandという島に着地したため、生徒代表がフェリーに乗って行きました。笑)
今年3年生の娘の学年は「環境保護」と「動物との共存」に興味を持っているらしく、
3学期に入ってもどんどん掘り下げて学び続けています。
プラスチックはリサイクルできるけど、数回リサイクルの後、結局ゴミになること。
たくさんのゴミが海洋汚染を進めていること。
地球全体で温暖化が進み、熱帯雨林の環境がおかしくなっていること。
環境が変わり、たくさんの動植物が絶滅の危機にあること。

などを、遠足や資料を通じて学び、
「じゃあどうしたらプラスチックを減らせるか」
というところから、学校にランチをデリバリーしてくれる業者さんに
「みんなフォークを持参するので、プラスチックフォークを付けるのを
やめてください」とお願いすることに成功。
あとはお昼休みに、自主的にゴミ袋片手に学校の敷地内のゴミ拾いをする
グループをちらほら見かけるようにもなりました。
やはり興味があることとなると、子ども達の集中力と吸収力が格段に上がるのは
明白ですし、何より「勉強が楽しい!」と思ってくれることは、お勉強嫌いだった
私からすると羨ましく思います。
NZの「とことん深める教育」があるから、大人も知識が深い人が多いのかもしれませんね。
ニュージーランドの学校教育が「インクルーシブ教育」を
積極的に取り入れていることは、日本でも知られていることと聞きました。
インクルーシブ教育とは、基本的に障がいのある子もなるべく通常級で
定型発達(英語でNeurotypicalと言います)の子と一緒に学び、
お互い学び合おう、一緒の環境で育っていこう、というもの。
ただ、多民族多文化のニュージーランドの学校を見ていると、
障がいのあるなし以上に「どんな文化背景を持っている人も一緒に学ぼう」
という意味まであるんじゃないかと感じます。
そんな子どもたちの学校生活に、今年度からBoard of Trustees(以下BOT)メンバー
として関わることになった私ですが、メンバーに選出されてから2ヶ月、
正直キャパシティを超えてしまう精神状態に追い込まれました。
そもそも「ガバナンス」ということを、日本でもNZでも経験したことがなく、
私自身は子ども時代にNZの学校生活を送ったことが全くありません。
また、もちろんですが資料は英語の専門用語、略語、マオリ語が溢れるもので、
初めて目にする人は英語ネイティブでさえ、何年もかかってようやく全て理解できる
ようになると言われるほど、とても難解なものが大量にあり、
その資料を理解するための研修講座やコンサルタントなるものが存在し、
私は学校から予算を出してもらい、その研修に参加したりもしました。

そして、私以外の4人のメンバーは、
銀行出身アカウンタント、鉄道工事(オークランドでは現在地下鉄を掘っています)の責任者、
ITスペシャリスト(兼牧師さん)に、ロータリークラブを仕切っていたガバナンスのプロ。
そんなみなさんが各方面での専門知識を生かして、学校経営への疑問や指摘を投げかける中で、
「私は主婦として以外の経験と能力がないから、価値のある意見が言えていない気がする」
と大きく気持ちが落ちることがありました。
ただ、そんな気持ちのままこの3年の任期を続けるわけにいかないし、
選ばれたからには「私だから」の価値とポジションを見つけようと思い、
BOTのメンバーと校長に、ミーティングで顔を合わせる前にメールをしました。
「私はNZで育っていないからNZの学校生活を自分の身では体験したことがありません。
そして、マオリ語はほぼ全く理解できずに全ての単語に辞書が必要で、さらには英語も私にとっては
第二ヶ国語です。その上、私にはみなさんのように専門的なキャリアがないため、
主婦として以上の知識と経験がありません。
だから、学校のガバナンスという面で、私は1/5票を持つ身として、どういうポジションでいることが、
BOTにとってメリットを還元できるかを考え続けていますが、自分では答えが出せそうもありません。
私のこの学校内での強みは、私自身がESOL(英語を第一言語としない生徒のためのクラス)
生徒としての経験があること、NZ人以外の移民たちをまとめる強いコネクションがあること、
そしてNZ人とも対等に付き合える信頼関係があることです。
こんな私が、どうBOTメンバーとして役に立てるか、意見をいただけたら嬉しいです。」
というような内容のものです。
そして、返ってきたメールや、直接顔を合わせた時に言われたことは、
ほぼみんな同じで、
「あなたが自分で”取り立てて専門性も何もない”と思っているかもしれない視点と
ものの考え方は、私たちNZ育ちで一つの言語しか話さない人間には、到底ないもので、
時に目を大きく見開くような体験をさせてもらっています。マルチカルチャー、バイリンガル
としてのあなたの能力と経験は、私たちが大学に行き直しても、お金を出して講座を受けても
決して身につけることができないもので、人種と文化が多様化している今のオークランドの
学校をガバナンスする上で、あなたの存在はなくてはならないものです。
だからBOTに入ってくれて本当にありがたいし、風向きを変え得るすごいことだと思いました。」と。
そんなところに「この国は本当に社会全体がインクルーシブなんだ」
と感じ、この国の懐の深さを改めて知る体験となりました。
自分のありのままの存在が「受け入れられる」こと、
インクルーシブであるってすごい力を持つんだなと、いろんな角度から
この国の魅力を再確認です。
ニュージーランドと言えば、来たことのない方にとっては
「動物がいっぱいいる国」の印象を持っている方も多くいると思います。
イメージ通り、自然と動物がたくさんなのは事実ですが、私たちが住む
オークランドは、東京などの日本の都会と比べたらまだまだ田舎とはいえ、
ニュージーランドの中ではダントツ一番の都会です。
そのため、オークランドの子どもたちが動物と触れ合う機会と言うと、
せいぜいペットの猫や犬、乗馬クラブでの馬や動物園で見る動物と言った
ところでしょうか。そのせいか、オークランド育ちの最近の子どもたちは、
動物との距離の取り方に慣れておらず、その部分の教育が必要だと声を挙げる人も
多くいます。
例えば、お散歩中の犬だと、慣れていない子はぎゃーっと怖がって走って逃げて
結果、追いかけられてしまうとか(そしてまたぎゃー!のループ)、
逆に警戒しなさすぎて、初対面の犬なのに、飼い主さんに「撫でてもいいですか?」
と聞いたりせずに(撫でられるのを嫌がる犬もいるので)、急にガッと撫でたり。
最近では、犬を飼う先生が学校に犬を連れてきて、でも犬は大勢の子どもたちが
怖かったようで、「ガルルルル」と歯をむき出して威嚇したのに、
犬をよく知らない子どもたちは「わー、犬がスマイルしてるー!」と喜んで、
全く違う対応をしようとして、先生がヒヤッとしたということを聞きました。
そんなわけで、娘の学校では「動物の生態を知ろう」の一環として、
先日先生の一人が、子羊を学校に連れてきてくれました。

名前はロッティ。人間にとても慣れている、人懐っこい子羊ちゃんです。
動物に興味津々だけど、同じく距離の取り方が分からず、極端な反応を
してしまう娘は、余分に1対1の時間をとって触れ合わさせてもらったようです。

子羊も人間の赤ちゃんと同じようにミルク飲むよーとか、
吸いつかれると結構強い力だよーとか、

犬とは違って、急にビョンビョン垂直にジャンプするよーとか、
娘はたくさんのことを学ばせてもらいました。
この国での動物の尊重されている感じや、特に娘のように情緒障がいがある子
にとっては、セラピーとしての存在として大きく認知されているのを見ると、
ニュージーランドでは動物は、人間にとっていなくてはならない存在なんだな
と毎回思います。
ただ、あれ以来娘は「羊が飼いたい」と言い続けるので、
ファームに住んでいない私たちは少々困っています
NZの子ども達が、放課後・週末に習い事をたくさんする傾向に
あるということは、以前の記事でも触れたことがありますが、
そのそれぞれの習い事から表彰を受けるのも定番
例えばチームスポーツ系だと”Player of the day”(今日一番活躍した選手)
の賞状やトロフィーをもらうし、試合やコンクールなどに出てメダルを
取るのもよくある話。
あとは「レベルが上がりました」「キャプテンに選ばれました」なども、
それぞれ誇らしい成果ですよね
これらは学校外活動(習い事)での出来事ですが、
「褒めて伸ばす」なNZの学校はそういう学外活動もどんどん褒めてくれます
娘の小学校では、学外で取った賞状や成果を学校の受付に提出すると、
その週のアセンブリー(全校集会)で改めて校長先生がみんなの前で
成果を読み上げて、表彰してくれます
息子の中学校では、学外からの成果を写真とともにメールでオフィスに
送ると、その週のニュースレターやFacebookぺージに載せてくれ、
先生方はもちろん、他の生徒や保護者達から「見たよーおめでとう!」と
ちやほやしてもらえるそう![]()
みんながみんな、小さな成果でも持ち寄って「自分の成果を誇りに思う」
のが当たり前の文化なので、誰も「自慢するなよー!」とかは言いません。
日本で生まれ育った私は「こんなに頑張ってすごい成果もらったの」
というのを一瞬躊躇する傾向にあるし、おそらく日本文化的に「ひけらかす」
のはあまり美しいものではないのかもしれないのですが、
やっぱり頑張ったこと、そしてそれに結果がついてきたことは
みんなに知って欲しいし、誇りに思うことを祝ってもらいたいなと思うのです。
いっぱい頑張って、いっぱい褒めてもらって、いっぱい誇りに思えることを
どんどん増やしていってね

こんにちは。
こちらはまたまた学校がお休み。今度は冬休みです。
今日は、お休み中に見に行った“We’re going on a bear hunt”の
舞台の元となっている、NZで超有名な絵本について。

娘が手に持っているのが、舞台の元となった同作の絵本です。
題名の通り、家族がクマを探しにいく探検ストーリーなんです。
このストーリー、とっても単純なんですが、
何よりリズムが良く、擬音語がたくさん出てくるので、
子ども達の記憶に残りやすく、そして覚えやすい。
この本はイギリスのもので、イギリス、そしてイギリス同盟国
(NZやオーストラリアなど)の子ども達はみーんな知っていると言っても
過言じゃないくらい、超定番で超有名な作品です。
各小学校では低学年の劇としても良く扱われます。
とにかくこの本を読んで育っているので、この国の子ども達は
「川」「野原(草)」「泥(ぬかるみ)」「森」「雪」「洞窟」
をみると、この本の擬音語を持ち出してつい反応しちゃう。(笑)
川は・・・

野原は・・・

泥(ぬかるみ)は・・・

と、こんな調子で、それぞれ擬音語で川や野原や泥の中を歩いて
渡っていく様子が、作品中で表現されているのです。
NZ育ちの子どもならみんなが知っていて大好きなこの絵本、
日本語でも「きょうはみんなでクマがりだ」というタイトルで
あるそうですが、とても簡単なのでぜひ英語で読んでみてほしい一冊です。

前回のBoard Of Trustees(BOT)の記事の続きです
さて、バタバタとした中で急遽決めた3年に一度のBOT選挙。
ちなみにBOT選挙は、総選挙に続き2番目に大きい規模の選挙です。
全国の小・中・高等学校全て一斉に行われるので、
まあ全体的な規模にしたら相当なものになることは予想できますよね。
そして各家庭に郵送で届いた投票用紙の締め切りも、
厳密に「○月○日正午までに直接学校オフィスに提出」、
もしくは郵送の場合、
「○日○時以前の消印且つ○日正午までの到着のみ有効」
のように、相当厳密に(当たり前?!)決まっています。
今年は、各公立学校の教員たちのストなどがあった影響か、
例年になくBOT選挙が盛り上がったそうで、通常以上の郵便数があり、
配達に遅れが発生、全国ニュースで大きく取り上げられるということもありました。
そんなわけで結果が出るまで締め切りから1週間ほどかかったのですが、
選挙委員から電話がきて「おめでとうございます。BOTメンバーに選出されました」と!
その日からすでにBOTとしてのポジションについたこととみなされ、
すぐに新メンバーでミーティングが開催。
選挙で選ばれた保護者5人に、校長、副校長を加えた7人が
正式なBOTメンバーとなります。
ちなみに、ミーティングはどの学校も夜開催されるので、
お仕事後に駆けつける人がほとんどです。
そして、ミーティングの始めに校長から言われたことは、
「BOTで使われる言語はかなり特殊な教育用語だったり、
知識も特殊なものです。だから質問することに躊躇せず、どんどんしてください」と。
実際、略語、組織名、さらにはたくさんのマオリ語の登場により、
NZ育ちの英語ネイティブたちも相当頭を使う内容のミーティングで、
私は事前にいただいていた資料を読み込むことにも相当時間がかかりました。
会計資料なんてどこをどう読むべきか分からないし、
教育省発行の報告書1ページ読むのにマオリ語辞典(オンラインにあります)
なんど使ったか分からないし、この12年で一番勉強しているかもしれません。
BOTは、学校の経営・運営をする立場となります。
学校の敷地はBOTが教育省から80%ー90%を借り受けている形で、
職員たちの雇用・解雇の決定権はBOTにあります。
その中でも一番大切なのは、生徒たちがしかるべき教育(特に国・算)を
しかるべき質で受けて、教育省が定めるスタンダードに到達する環境にあるか
ということをモニターするということ。
専門知識もキャリアもない私ですが、私はその中で自分の
「NZ以外の国で教育を受けてきた」こと、
「障がいを持つ娘がいる」という立場と経験を生かし、
NZが国として定めるインクルーシブ教育の中で、
各生徒がもっとも理想的な形で教育を受ける土壌を整えて行くことに
重きを置こうと考えています。
そんなドキドキでいっぱいの始まりですが、
また違った角度から学校教育を見て、もっと深いNZ学校生活を
みなさんにお届けできたらと思います

ニュージーランドの小・中・高等学校では、3年に1度、
Board Of Trusteesの選挙が行われます。
Board Of Trustees(BOT)とは、日本でいう学校の理事会です。
各学校、それぞれ3人から7人(学校の規模などの諸条件によって
人数設定が異なります)のメンバーで構成され、
主に学校運営についての責任を追う役職です。
今年度はまさにそのBOTの選挙の年。
学校から、家の住所宛に保護者それぞれ(父・母)の封書がまず
届き、それには「立候補、または推薦書」が入っています。
BOTは、学校の各イベントを仕切るPTAとは異なり、
日常生活においてあまり直接関わることのない機関。
なので、実は正直なところ、そこまで興味を持っていませんでした。
しかし立候補・推薦締め切り日の前日に、
クラスのママ友グループのチャットで、あるママが
「あなた(私のこと)をBOTに推薦したいと思ってるんだけどどう思う?」
と話を切り出し、他のママたちが「私もそれを言おうと思っていた」と
続きました。
私は自分とは別世界だと思っていたので
「あなたたちは今日よっぽどすることが思い浮かばなくて、
とんでもない刺激を求めてるんでしょう!」
とジョークとして返しましたが、
実はみんな本気で考えていてくれたことがわかり。
「そもそもBOTが実際何をしているのか分かってないし、
今日1日考えさせて」とチャットを終えました。
その後自分でリサーチをし、BOTメンバーだったことのある友人の
旦那さんに話を聞き、夜には夫に「BOT選挙に出ようと思う」と伝えました。
翌日、友人たちが推薦書を持ってオフィスに行き、
私は大慌てで「自己PR」の文章を、締め切り12時の3分前に
滑り込みで提出。
なんともバタバタした選挙スタートでした。
そして各家庭に、郵送で投票用紙と各自己PRが配られたのですが・・・
今回は7人、プラス過去のBOTメンバー3人が選挙に参加。
選ばれるのは5人。
まず驚いたのは、私以外全員
「とんでもないキャリアを持っている」
ということ。
実は、BOTはどの学校でもエリートの集まりなのです。
それぞれの専門知識やキャリアを学校運営に生かすことが期待される
ということ、また、逆にキャリアを築く上でBOTの経験は、
会社内での出世、評価、転職などに相当な影響を及ぼすということで、
お父さんたちの立候補がとんでもなく積極的。
妻たちも「あなた、出馬しなさいよ」とプッシュする人が多いらしいです。
また、在校生の保護者からの推薦があれば、校外の地域の人も
出馬することができます。なので、本当にいろんな人が
BOT選挙に挑戦するのです。
ちなみに投票権は在校生の保護者にあります。
みなさんの自己PRを読むと、
弁護士、警察官、銀行員、有名IT企業のトップ、
ロータリークラブの会長、大学院教授に、牧師さん。
あれ・・・私大丈夫?(笑)
「主婦」の私の自己PRは相当浮いていました。
そして、別の意味で浮いていたのは、
「ヨーロピアンではない立候補者」ということ。
他地域では違うかもしれませんが、
ノースショア各学校のBOTの写真をみると、
ほぼどの学校もヨーロピアンのメンバーが占めていて、
今までアジア人メンバーがその写真にいる学校は、
私は見たことがありません。
ただ、アジア人比率はオークランドではどの学校でも上がっていて、
BOTにアジア人が一人もいないのは不自然であるということは、
今まで色んなところで議論されてきたこと。
そういう意味でも、私がその選挙に立ち上がったことは、
学校中どころか地域の大きな話題となったようです。
毎日登下校の時に、「あなた、BOT選挙に出てるよね?投票するから頑張って」
と応援してくれる人や、「あなたみたいな普通の人(あれ、褒められたのか?笑)
が出てくるの待ってたよ」と励ましてくれる人、人種や学年性別問わず、
本当に色んな人に声をかけてもらいました。
これだけでも「選挙出てよかったな」と正直感じました。
来週に続きます
