日本の公立小学校に通う場合、
基本的に全員が登校班に所属し、
徒歩で学校に登下校するというのが、
一般的な認識かと思います。
ニュージーランドの場合、それがどうかというと、
まず「登校班」なるものが存在しません。
なので、基本的には各家庭の判断で出発時間、
通学方法などを決め、お友達といく場合も、
親同士で話し合って個人的に決めるという感じです。
ニュージーランドの公立小学校も、日本と同様、
多くが学区を設定しており(ないところもあります)、
基本的には近隣に住む子が通います。
ただ、親が車に慣れていること、
共働きで朝慌ただしい家庭が多いこと、
オークランドは坂が多いこと、雨風が強い日も冬は多いこと、
など、様々な理由から、結構な近所に住んでいても、
車通学をする人が多いのが現実。
しかし、通学時間は通勤時間とも重なるため、
学校周辺の道路は大混雑。
環境的にも、子ども達の安全のためにも、
それは好ましいことではありません。
あとは、NZ人の肥満率の高さ→健康維持という問題
もあり、「なるべく歩こう!」と各学校が呼びかけを、
手を替え品を替えしています。
娘の学校では、前学期からWalking School Busが導入され、
希望家族のみですが、みんなで集合して歩こう!の試みが始まりました。
これを先導しているのは、実は学校ではなく、Auckland Transportという、
オークランド市の交通局です。
そのため、学期に一度、通学路の安全を確認しに来てくれたり、
子どものためのスタンプカードの配布、
25回歩くたびに賞状を全校集会で
もらえるように手配してくれたり、学期に1度、ココアやアイスを
学校前にご褒美でくれたりして、子ども達のためにたくさんの予算と時間を費やして
くれているのです。
この日はコーヒートラックがきて、できたてココアを
みんなに提供してくれました。
我が家はどのみち徒歩通学でしたが、一緒に歩く近所のネットワークもでき、
娘はご褒美が嬉しくて楽しいので、みんなにとって良いシステム。
ただ、ここまでキャンペーンに力を入れても、まだまだ車通学の数が減ることはなく、
日本のように「全員が徒歩通学」になるまでには、相当長い道のりになりそうです。