NZの小中学校は、日本の学校のように教科書がありません。
一応、教育省からの「この学年ではこの内容を・・・」という指標はありますが、
各学年・クラスで実際に行われる授業の内容は、学年主任と各クラスの先生次第で
いくらでも柔軟な対応ができるため、「生徒たちの興味主導」カリキュラムが組まれます。
例えば、数年前の4年生は宇宙に対する興味を持つ子が多く、
本来は1学期間だけの内容だったにも関わらず、子ども達の反応があまりによかったため、
1年通して宇宙について学び続けました。
また、保護者の中の一人が研究者で、実際にGPSとカメラをつけて、巨大風船でぬいぐるみを
宇宙に飛ばすという実験をし、ぬいぐるみのくまさんがつけていたカメラを通じて、
あの目に見える空を抜けたらどんな風に宇宙にいくのか、
全校生徒が実況画像を見たこともあります。
(くまさんはGPSで着地点が分かるため、きちんと回収にいきます。
この時はRangitoto Islandという島に着地したため、生徒代表がフェリーに乗って行きました。笑)
今年3年生の娘の学年は「環境保護」と「動物との共存」に興味を持っているらしく、
3学期に入ってもどんどん掘り下げて学び続けています。
プラスチックはリサイクルできるけど、数回リサイクルの後、結局ゴミになること。
たくさんのゴミが海洋汚染を進めていること。
地球全体で温暖化が進み、熱帯雨林の環境がおかしくなっていること。
環境が変わり、たくさんの動植物が絶滅の危機にあること。
などを、遠足や資料を通じて学び、
「じゃあどうしたらプラスチックを減らせるか」
というところから、学校にランチをデリバリーしてくれる業者さんに
「みんなフォークを持参するので、プラスチックフォークを付けるのを
やめてください」とお願いすることに成功。
あとはお昼休みに、自主的にゴミ袋片手に学校の敷地内のゴミ拾いをする
グループをちらほら見かけるようにもなりました。
やはり興味があることとなると、子ども達の集中力と吸収力が格段に上がるのは
明白ですし、何より「勉強が楽しい!」と思ってくれることは、お勉強嫌いだった
私からすると羨ましく思います。
NZの「とことん深める教育」があるから、大人も知識が深い人が多いのかもしれませんね。