今日は、7歳・発達障害の娘が、
インクルーシブ教育を行なうNZの小学校で、
どのように窮屈な思いをせずに、マイペースに
過ごせているかについて書いてみようと思います。
娘は、言語発達に大きな遅れがあり、情緒的にも「メルトダウン」
を起こす事が多々あります。
とくに、「自分だけ分からない」「間違ったことをしてしまった」
ことに気づいてしまうと大きく落ち込み、集団から離れて
どこか静かで、誰からも見られないところに行きたがります。
ただ、20人強のクラスに先生は1人だけ。
娘が静かなところを求めて、教室から飛び出してしまうと、
娘を追っかけても他の生徒が置き去りになってしまうし、
追っかけなくても娘が危ないし、ということで、
専門家を含めた話し合いを学校が持ってくれ、
解決策として、教室に「娘専用コーナー」を作ってくれました。
このコーナーには、娘が手にすると落ち着けるような、
Calming toysというもの
(日本でもストレス解消ボールというようなネーミングで
売っているのを見たことがあります)が置かれ、
お花が飾ってあったり、
娘が好きな本をクラスメイトたちが図書館から集めて置いてくれたり、
ほかには文字で書いてある時間割が理解できず「先々何があるか分からない不安」
と闘う娘のために、写真付きの専用時間割も設置してくれています。
これによって、娘が1人になりたい、そっとして欲しいときは
教室内のここで安全に過ごす事ができ、
先生はそのまま他の生徒たちの指導を続けられるようになっています。
こんな立派な専用スペースを作ってもらっただけでも驚いたのに、
もっと驚いたのは、周りのクラスメイトたちの反応。
楽しそうなおもちゃがいっぱいあって、1人だけ特別扱いされているから、
「ずるーい!」という声が上がりそうですが、このスペースができて
初めてお迎えに行った日、クラスメイトが次々に私のところに来て
「ここは◯◯のスペースなんだよー♡こんなのがあるんだよー!」
と嬉しそうに報告してくれ、娘が好きそうなものがあると持ってきてくれ、
ちょっとスペースがごちゃごちゃになると、整頓しに来てくれる子や、
時間割を変えるのを手伝ってくれる子がいたりして、
クラスメイトたちが自然に娘の特性に理解を示してくれていることが、
本当にありがたいし、すごいことだなと感じています。
こうして、同じスペースにいながらも、それぞれの特性を理解して、
それを尊重した生活空間を整えてくれる学校教育のおかげで、
NZの人々は「自然に手伝う」ことが上手なんだろうなと感じます。