小学校入学前の子どもたちの成長のあゆみとして、NZではチャイルドケアなどの保育施設から、
「ラーニングストーリー」というものが贈られます。
ラーニングストーリーというのは、簡単に言うと「先生が子どもの行動観察を通じて、
どんなことに興味を持っているか、どんな挑戦をしたかなどについて、
写真(動画)と文章によって”子どもの中身を代弁”した形で記録に残すもの」なんです。
要はポートフォリオとかアルバムのようなイメージです。
特徴としては、全てがポジティブな目で観察されていること。
例えば「木登り」に関しては、「危ないよ」という目ではなく、
「恐い気持ちを振り払ってチャレンジしました」
「危険から身を守るため、危険とは何かを自分で体験してみようとしました」
(もちろん本当に危ないときは先生が止めます)
という表現になっており、そこからその子の探究心や、興味を先生が代弁します
この記録により、家族のメンバーが、自分の子どもがチャイルドケアにいる間、どんなことをしているのか、
どんなことに興味を持っているかを知ることができ、チャイルドケア側も、それを見た家族からの
フィードバックによって、さらに別の興味や、すでに持っている興味を深めることができるようになります。
そして、小学校の先生など、チャイルドケアとも家族とも違う人がそのファイルを見る事により、
その子どもの性格、性質、興味、言動が手に取るように分かるようになっているのも特徴です。
このラーニングストーリーを書くのにもトレーニングやルールなどが存在し、
チャイルドケアの先生も、先輩から指摘やアドバイスをもらっている場面を何度かみたことがあります。
言葉遣いひとつをとっても、「ポジティブ」で「子どもの次の成長に繋がる」ように、
とても繊細に気をつけて取り扱われていることが明確です
このラーニングストーリーを開発したのは、NZのマーガレット・カー教授。
現在このラーニングストーリーは「ポジティブラーニング」の手段として、
世界から大注目されているとのことです