こんにちは。Year11(16歳)とYear7(11歳)の子どもを育てているHarukaです。2019から3年間、現地小学校の理事を務めていました。
今回は前回からの続きで、ニュージーランドにおける性教育について。
前回、こちらでは各学校に性教育の内容の判断が委ねられていると書きました。理由としては、学校ごとに民族・宗教・文化・思想が大きく異なるからです。
今回は我が家の子どもたちがこれまで受けてきた性教育、そして私が理事としてカリキュラム決定に携わったNZ小学校でのこれからの性教育について書いてみます。
まず、私たちが住むオークランドのノースショアは、オークランドの中でも治安の良さはよく知られており、経済レベルが比較的高めの地域でもあります。
そのため、ノースショアの多くのIntermediate School(Year7&8:11-12歳相当)では、人体の仕組みを中心に包括的な知識として教えるところが多いと聞いています。
ただ、同じノースショア内でも一部の地域では中学生でなぜ妊娠するのかということと、避妊の方法を具体的に教えなくてはいけないところもあると知っているので、やはり学校によって大きく違うんだなと感じます。
そしてSecondary School(Year9-13:13-19歳相当)においては、その続きで妊娠までの過程を習いますが、こちらではより具体的シチュエーションを使って “Consent” (=同意)に焦点を当てた授業が行われます。
性教育を担当する機関が主催した説明会では、どんなテーマで何をどう取り上げるかについて聞きました。それは例えば「行為に至る前のやりとりで片方が合意だと思っても、もう片方にとってはデートレイプだという認識になる場合もありますよ」などの、かなり具体的で実際にありえそうなものばかりでした。
また、実際には保護者がいない場で18歳未満の子が飲酒することは認められていませんが「お酒を飲むと判断力が鈍ります。その場合は合意とみなすべきではありません」のように、”認められていない年齢でも実際はパーティーなどでお酒を飲み始める子も出てくる”高校生の現実を踏まえた内容も取り入れられており、説明会ではもちろん賛否の声は上がりましたが、私は親として歓迎すべき内容だと感じました。
最後に小学生ですが、こちらでは小学校低学年から性教育が始まります。ただ「性教育」と言っても、小学校入学間近の子に生理や妊娠の話をするわけではありません。
例えばある学年では身体の部位を英語とマオリ語の両方で学びます。そして「この部分はプライベートゾーンなので、親の了承なしには他人に見せてはいけません。触られたら拒否をしましょう」のように、 “自分の身を性被害から守る” ための境界線を学びます。
ある学年では「女の子はXXの遊びをしますが、OOは男の子の遊びなのでしません」というような ”性別で行動や考えを制限されること” はすべきではないし、”行動や見た目で性別を判断する”こともすべきではないと習います。これはLGBTQIの理解に繋げるための入り口です。
ほかには「相手の気持ちを想像する」などのマインドフルネスも性教育の一部として取り入れられ、これがSecondary schoolの内容でご紹介した“Consent” (=同意)に最終的に繋がる考え方となるのです。
次回はNZの保護者たちはみんな知ってる、同意の取り方を説明する際に使われる有名な性教育メソッドについてまとめます。