ニュージーランドと言えば、来たことのない方にとっては
「動物がいっぱいいる国」の印象を持っている方も多くいると思います。
イメージ通り、自然と動物がたくさんなのは事実ですが、私たちが住む
オークランドは、東京などの日本の都会と比べたらまだまだ田舎とはいえ、
ニュージーランドの中ではダントツ一番の都会です。
そのため、オークランドの子どもたちが動物と触れ合う機会と言うと、
せいぜいペットの猫や犬、乗馬クラブでの馬や動物園で見る動物と言った
ところでしょうか。そのせいか、オークランド育ちの最近の子どもたちは、
動物との距離の取り方に慣れておらず、その部分の教育が必要だと声を挙げる人も
多くいます。
例えば、お散歩中の犬だと、慣れていない子はぎゃーっと怖がって走って逃げて
結果、追いかけられてしまうとか(そしてまたぎゃー!のループ)、
逆に警戒しなさすぎて、初対面の犬なのに、飼い主さんに「撫でてもいいですか?」
と聞いたりせずに(撫でられるのを嫌がる犬もいるので)、急にガッと撫でたり。
最近では、犬を飼う先生が学校に犬を連れてきて、でも犬は大勢の子どもたちが
怖かったようで、「ガルルルル」と歯をむき出して威嚇したのに、
犬をよく知らない子どもたちは「わー、犬がスマイルしてるー!」と喜んで、
全く違う対応をしようとして、先生がヒヤッとしたということを聞きました。
そんなわけで、娘の学校では「動物の生態を知ろう」の一環として、
先日先生の一人が、子羊を学校に連れてきてくれました。
名前はロッティ。人間にとても慣れている、人懐っこい子羊ちゃんです。
動物に興味津々だけど、同じく距離の取り方が分からず、極端な反応を
してしまう娘は、余分に1対1の時間をとって触れ合わさせてもらったようです。
子羊も人間の赤ちゃんと同じようにミルク飲むよーとか、
吸いつかれると結構強い力だよーとか、
犬とは違って、急にビョンビョン垂直にジャンプするよーとか、
娘はたくさんのことを学ばせてもらいました。
この国での動物の尊重されている感じや、特に娘のように情緒障がいがある子
にとっては、セラピーとしての存在として大きく認知されているのを見ると、
ニュージーランドでは動物は、人間にとっていなくてはならない存在なんだな
と毎回思います。
ただ、あれ以来娘は「羊が飼いたい」と言い続けるので、
ファームに住んでいない私たちは少々困っています