今回はまたまた小学3年生でニュージーランドに来た、
現在高校生のNちゃんがレポートを書いてくれました
——————————————————————————
「夜の9時までトランポリンしていいのー!?」
NZに来たばっかりの9歳の私は胸を躍らせた。NZの夏は夜の9時まで明るいのだ。
私は一瞬にしてNZが大好きになって、泊まっていた宿のトランポリンでさっそく遊び始めた。
するとそこに、二人の小さい女の子がやってきた。私は思い切って、
不慣れな英語で自己紹介をしてみることにした。 「マイ ネーム… イズ ノア!」
それから、ノアという自分の名前が英語では男の子の名前だということを知っていたので、
誤解されないように「アイ アム ア ガール」と付け足した。
そして、後悔した。
二人の女の子はお腹を抱えて笑い出した。
どうも男の子だと誤解される心配はいらなかったようだ。
会ってすぐに「私は女の子です」なんて言う自分はきっとバカに見えたのだろう。
NZにて、初の赤っ恥だった。
NZの小学校の子供たちはとても優しくてフレンドリーで、
日本から来た私に興味を持ってくれた。
それに、やたら珍しがるのではなかったので過ごしやすかったと思う。
自己紹介くらいしか言えない私をクラスの子たちはよく助けてくれた。
特にFinnという男の子が、お兄さん気分になるのが楽しかったのか、
よく私の面倒を見てくれた。このFinnという子の目が、見たこともない青色をしていて、
目が合うたびに見とれてしまったという、私の小さな恋の話。
でもやっぱり言葉が分からないということは大変なことだった。
Finnとも誰とも思うようにお話ができない。みんなの輪に入っていけない。
授業でも、先生の説明が終わると、みんなは言われた通り動き出すのに、
私は何をすればいいのか分からなくてウロウロしてしまうことがたまらなく恥ずかしかった。
日本にいた頃、自分はそこそこ頭がいいかもと思っていたので、NZに来てバカになった!
と焦ることがよくあった。 最初の頃の学校での私はとにかく静かだった。
元々静かな性格なのに、NZに来てみんなの言葉が分からなかったからさらに静かになった。
変な英語を使ったら恥ずかしいと、押さえている部分もあった。
休み時間には、クラスの子が「おいで」と誘ってくれることもあったが、一人でいることもよくあった。
たまには自分から勇気を出して、「入れて!」と日本語で言う時もあった。
すると大抵は “Pardon?”(え?)と聞かれたが、それでも通じないことを知っていながら
「入れて」と繰り返した。
時々(自分はここにいて邪魔じゃないか)と不安になってしまう事もあった。
次週に続きます